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嵐
を
越えて
東アジア
・攻略
1
僕の名前はラファエル・カストール。
カストール商会の若き総帥で提督だ。
――え、商会をつくってまだ日が浅くて、ビンボーじゃないかって?
――、んなことないよ、僕の邪魔をする勢力倒してシェアを奪い取ったもん。
……みなは言う恐怖のカストール商会と……って痛いな、殴ることないじゃいちょっとした冗談だのに、クラウ。
「――ッんなこより、はやく南アジアいこうぜ!」
だめだよ! クラウ! そんなことしちゃあ!
「あ? なにとんちなこといってるんだよ? ここ東インド洋の海域の次は南アジアじゃ…」
だめなんだ! いっちゃあ!
「あ?」
――ばかだなあ、そんなことしたら即座に『ポルトガル滅亡』イベントに突入しちゃうじゃないか!
「わ、わるいのか? ストーリー上そうなるのがふつうだろう?(お前にバカ呼ばわりされるのがスゴイ無かつく!)」
今回の僕の作戦……もとい、僕が目指すところは極東アジア!
南アジアなんて目じゃないしこの港から東アジアにつくまで港とまらないから覚悟しておいてね!
「――っんなぁ、むちゃくちゃなあ…」
「このガキ提督が無茶しないと思うか?」
「そうだよ、マンマミーヤのいう通りだよ」
「てめぇ…いい加減名前おぼえろよ」
「喧嘩しない、アンジェロ、サムウェル」
「……提督、質問でありますが」
なに? ゲルハルトさん?
「南アジアで仲間になりそうな
航海士
なかま
(ジャム・カルロ)をさがさなくていいのですか?」
無視!
さがしたら計画が台無しじゃない!
「そうですか」
さて、みんな荷物を食料にしたね〜!(軍艦から遠方船へ)
では出発!
しかし、海に出たとたん、僕達を出迎えたのはひどい大嵐だった。
海神は僕達を東アジアへいかせまいとしてるのか……?
荒れ狂う海を見つめながら僕は天にむかって問いかける……。
「ばか提督! 一人の世界に浸ってないで、港によれよ!」
……しかたがない…。
「提督……」
みんな僕に視線をむける。
僕は疲れ切った水夫・航海士の視線をうけとめる。
……マ…。
「……マラッカにいくのか、ああ、すぐ近くに街が見える!」
なにいってるんだよ! マラッカじゃなくて『マカオ』にいくんだよ!
「バカ提督〜!」
これは提督命令だよ?
「首閉めてやるうぅ!」
はははは、くるしいよ、クラウ。
「ぐは、ぐあ! グォ!」
「ねえ…、提督って天使(?)の顔かぶった悪魔だよね…」
「ええ、首しめられながらわらって、クラウの胸板、百裂キックだよ」
「百裂キック……ふるいですね」
「チュン・リー……」
嵐と、僕の哄笑と、クラウの怒鳴り声と水夫・航海士たちのため息をまじえながら船はマカオに向かっていった。
――いや〜ついたね!
「ついたね〜じゃねえ! てめえ、人を人とおもっていないな!」
人を人だと思ってないのは、クラウもじゃないか!
僕の首をしめたじゃないか!
「殺してやろうとおもったんだよ! てめえだって百裂キックのつぎに昇竜拳やりやがって!」
ふん、このぐらい、アジアの人はできて当たり前なの!
「どこの知識じゃ!」
「仲いいよね、ラフィとクラウ」
「本気でいってるの? ジェナス、――って、とめなくていいの? 二人の親友としては?」
「何をいっているんですか、クリスティナ、僕に死ねと!」
「そんなこといってないわよ…って誰かくるわよ」
「アジアの厄介な事件はこび人ですかね」
「なんかアジアンティックな鎧きてるね、あのおじいさん」
「あの、ここ
アジア
、、、
なんで、アジアンティックというのもどうかと……」
「カストール商会の人か?」
そーで〜す!
「
杭州
こうしゅう
でリー家の当主がお待ちしております、ご足労かけますがきていただきたい、では」
おじいさんは、手短にいうととっとと駿馬にのって去っていった。
僕が思うに海でいった方がはやいのでは……?
という言葉はもはや届かない。
「いやだぞ、十日休ませてくれんとストライキおこすぞ」
マンマミーヤ(しんじられない)!
僕がそんな人遣いあらいとおもってるの?
一同コクリとうなずく。
そう。
マカオから杭州まで近いといううわさだし、このままいこうか?
「ざけんじゃねーよ」
一同
かぞく
の殺気立った声は本物だったので僕は仕方なく30日のバカンスをあたえた。
さて、五代呉越の首都……もとい中国有数の港都市・杭州!
僕はシェンさんに案内されてリー・家の大きな屋敷につれてかれた。
リーっていうんだから扉あけた瞬間「あちょー」っていって男の人が飛びかかって襲いかかってくるんだ。
僕は内心どきどきしながら(なかば構えなから)室にはいる。
「――……カストール商会の総帥、ラファエル君ね? 私はこの中国の海を守る職についている、マリア・ホアメイ・リーよ」
丁寧なラテン語で僕に話し掛けてきたのはオリエンタル美女の女総督!
僕はあがちゃって、声が出なかった。
「お、ラフィがあがってる、」
「美人にはよわいからね〜」
クスクスとわらいごえが耳を噛み、痛い。だから、つい……
アチョ〜!
「グア!」
おもわず照れ隠しでクラウにとび蹴りをくらわしてしまった。
「てめえ…殺す!」
あっけにとられる、リーのかたがたにイアンさんがペコペコと慌てて頭をさげる。
「すみません、すみません! いつもああなので、気にしないでください!」
しかし気を取り直したようにころころとマリアさんはわらっていう。
「かわいい方ね」
「か、かわいい……?」
その場がしーんとかたまった。
そんな雰囲気など気にしないのか、マリアさんが話題を本題にもどす。
それは海賊クルシマ討伐のこと。
討伐すればクルシマのシェアを僕のものにしていいし、覇権のカギをくれるという。
僕達はその話にのった。
さっそく、極東アジア……ジャパンへ!
しかし、長崎に入ろうとした刹那クルシマにみつかってしまった!
――トンデヒニイルナツノムス!
僕は船に搭載したトルネードで撃退した。
そして大阪にいたるとそのクルシマが僕につっかかってきた。
「おうおう、バレテンの船はおまえたちのか!」
あちょ〜…と問答無用で腰をおとして撃退しようとおもったけど、ここはジャパン! ここは刀でずばり、百人切り!
剣
シミター
に手をかけようとしたとき、
「多勢に無勢、ひきょうでござる〜」
刀身にまばゆい太陽の光をのせながら、ひとりのサムライが海賊どもの間をすりぬけて、膝をついてとまる。
鞘に刀をおさめ、つばがカッチン! と音をたてるとともに海賊達の服が切り刻まれ全裸になる。
その体には新しい傷をつけることはなかった。
お見事!
「お、おぼえてろよ〜」
おぼえているまえに、大砲で一撃だよ
という言葉はとどいてないだろう。
さぁて、あの……おサムライさま、おなまえは?
「ユキヒサ・ゲンジョウ・シラギでござる。あなた方はバレテンでしょうか?」
ちがうよ、ポルトガル人だよ。まあキリスト教徒もいるけど、みんなラファエル教徒だよ……いった〜い!冗談だよ!(とも言えない船員もあるけど)
「
拙者
せっしゃ
を共にしてくれませぬか? 世界がみたいでござる」
「ここにもどれないかもしれないよ」
「それでも! 提督の命を狙う者は拙者が成敗するでござる!」
……命をねらうもの…。
僕はクラウをちらりとみやった。
クラウはぎくりとしいたが、すぐに、「くるならきやがれ、」と嘲りを浮かべた目で訴える。
2
クルシマ船めざして………どかんと、一発!(トルネード砲によって船壊滅)
「おい、ラフィ…どかんと一発って…」
「めいちゅう…!」
「やっぱ提督って悪魔だよね」
「し…、サムウェル」
僕の名前はラファエル・カストール。
いまジャポン・シーにいる。
「シー…っ、日本海といえ、日本海と!」
たったいま、日本海の海賊クルシマを撃沈させたところさ、でもなかなかしつこい。
オユキちゃんのところいってワインでものんでこようかな〜。
「コラ! バカ提督」
うきゃ、襟首掴まないでよ、クラウっ、もう今日はもう宿泊…っ、てやだな〜こわいよ〜
「そりゃこっちの台詞だ! なんだんだよ、あのユキヒサってヤツ、凄いさっきだった目でこっちみてるんだが!」
そりゃ、僕をいじめてるからさ〜。
「お館様になにをする!」(刀をふりあげ、クラウディオにせまるユキヒサ)
「うぁお! なにしやがる! ユキヒサ!
――ってか、お館様っておまえまで!」
いや〜いまは
無双
、、
ブームだからねぇ…
「関係ないだろう!」
「お館様を虐めるやつは拙者がゆるさ〜ん!」
「やめろ二人とも。無駄な体力消耗するなら白兵戦で実力を発揮なさるがよかろう」
せっかく
生
ナマ
で無双わざ見れるとおもったのに副官のゲルハルトさんがとめに入った。
ユキヒサも彼の威厳の前に刀をおさめるけれど、クラウ同様、彼の姿をみて首をかしげ、眉を潜める。
「ゲルハルトどの…」
「なんちゅーかっこしてるんだ…」
「これか? 経義の鎧というものだ。しっくりくるだろう(惚れ惚れしてる)」
そうだよね、似合うよ〜これこそ日本たましぃ〜ってかんじだよね。
「お、お館様、いっちゃなんですがめちゃくちゃへんでございます」
「ユキヒサ、珍しく同意見だな」
そうかな〜? エプロンみたいでいいとおもうよ。
「というか、つんつるてんですよ。せめて洋服ではなく、袴をはいてください。拙者のさしあげますから……!」
よっぽど変だとおもったのかな?
ユキヒサはゲルハルトさんをつれて船室へ。
数分後、がっくりとがたを落としたユキヒサがでてきた。
「だめでした。南蛮人は背が高くて、スカートになってしまう……しくしくしく…」
でてきたのはスネゲ魔人…もとい、袴の丈全くあわなくてミニスカート状態のゲルハルトさん。
…………アウチ!
とにかく、ユリアンとイファが途中仲間になって、最終決戦、クルシマ戦!
みんな〜張り切って白兵戦いっくよ〜!
――ってどうしたのユキヒサ? 青磁みたいに青ざめて?
「いえ、じ、実は拙者……」
船での戦いは初めてだったね、期待してるよユキヒサ!
「前方にクルシマ船発見したぜ!」
おっけ〜、フェレナンド!
ラム敵戦艦に命中させちゃって〜!
「ああ〜お館様〜!」
ユキヒサの悲鳴をよそに船はクルシマの鉄戦艦に突入する!
3
やっぱ駄目だね〜、
鉄船艦に普通の木の船たてるわけないよね、ラムが折れちゃったよ。
「よく考えて海戦やれバカ提督!」
満身創痍の船員さん、ごめんなさい。
いやー、しっぱいしっぱい、いつも『どかんといっぱつ』攻撃だったからさ。
「なにいってるんだよー、ほとんど白兵戦じゃない」
今日は明日の過去、現は――
架空の傘をもって舞う僕をみてサムウェルは犬歯を見せてクラウにきく。
「ねえ、この提督なぐっていい、」
「かまわねえけど、ユキヒサが邪魔するんじゃないかって、どうしたんだユキヒサ、ほっといきついて?」
「あ、いや、べつになんでもないでござるよ」
「そうそう、いよーに、血色良くなったよね、海戦までは本当に青ざめてたのに、」
だめだよ、サムウェル、ユキヒサ攻めちゃ。
でも、本当だよね、僕、ユキヒサの無双技期待してたのに、
そう、うかがうように視ると、珍しくユキヒサは視線をそらした。
――?
まあいいや、今回僕たちも奮戦して一応勝利おさめたしっ!
「結局はどかんといっぱつってね」
苦笑してジェナスはいう。
「今度もどかんといっぱつ、ですか?」
白兵戦!
そう高々か、言ったとたんユキヒサがびくん、と肩を震わせた。
きっとなにかある。
ちらり、とクラウと視線があう。
こーゆうときだけ、気が合う僕ら。
同時ににやり、と笑みを浮かべた。
「ポルトガル人て悪い人だよねー」と密かに聞こえたけど無視をしよう。
白兵戦、白兵戦はくへいせ〜ん♪
僕は自ら物見台にのぼり、みわたすかぎりの青い海のただなかに、海賊もしくはクルシマ船をみつけていた。
「おいらのしごとなのに〜、」とエミリオ。
いーじゃん、今日は休暇をさしあげるよ、娯楽室いって休んでて!
「――おいら、やるきまんまんだよ〜! 白兵戦のときがんばるぞ!」
あー、今回の白兵戦担当はユキヒサだよ、
「えーユッキー、おいらの反対ですごくきげんわるいぞー?」
ユッキー、エミリオいつからそんなになかよくなったの?
あ、クルシマ艦隊みーつけ! エミリオ交替!
しゅるるる、と嬉々として帆柱から僕は降りる。
「ひどい、けっこう物見台で海戦はこわいんだどー!」
涙目のエミリオ無視して、ふなのり達に海戦をつげる。
海戦、みな、戦闘態勢にはいれ!
船を接近させて白兵戦!
こんなときだけ、提督っぽい僕。
アイサー、の呼び声が船艦に鳴り響く。
「ユキヒサ、援護はまかせろな!」
「クラウどの〜」
「期待してますね、ユキヒサ」
海戦の準備に忙しい船上にただひとり震えて立ちつくしているユキヒサ。
「せ、拙者は、拙者は……」
ユキヒサ、
「お、お館さま」
きっと初めての船の戦いでドキドキしているんだろう、きっとユキヒサの震えは、世にきく『武者震え』、なまでみちゃったよ!
僕はおゆきちゃんにならった日本語の「ファイト」をユキヒサにつげる。
――是非もなし!
「お、お館さま……、」
とたん、ユキヒサはだーと、涙をこぼした。
「意味わかんないし、使い方違うし……」と日本語でいう。
そんなに感動したのかな?
とにかくなんだかんだで、白兵戦開始。
剣戟が鳴り響き、血煙があがる。
砲撃がうなり、海が高く波打つ。
海になげだされた船員もいるかもしれない。
――ま、これぞ海戦の醍醐味だよね。
長く使ってるお気に入りの船って、けっこう幽霊さんいそうだよねー、と悠々そんなことを考えながら僕はなんとなしに、襲いかかってきた水夫さんの剣をシミターでかわして凪ぐ。
「いてーよ、いてーよっ!」
――あんずるな、峰打ちだ。
って峰打ちってなんだろう?
まいっか。
「提督ってあくまだよねー」
「ちゃっかり、人殺してるしな」
さて、ユキヒサはっ――て、どうしてかこまれてるのー!
その声にクラウ以下航海士達はユキヒサをみやる。
彼は数十人を相手に船縁へと追いやられていた。
「なんで、やつ、戦わねーんだよ!」
「あの陸での剣捌きはどうしたんでしょう?」
とゲルハルトさん。
「やぱり、陸向きの人間なんだろうか?」
――ユキヒサ!
僕が叫ぶと、ユキヒサはハッ、として顔をあげた。
僕はホッとしてユキヒサのもとに駆け寄ろうとしたとき、背後に突然大きな影が落ちてきた、殺気とともに。
――え?
ふり向いたそこに、海賊・クルシマ!
「死ねぇ!」
うわあ!
間一髪僕は脇に逃げて、一撃を食らわずにすんだけど、二合三合と刀が空をきる。
僕の皮膚すれすれに。
お館さま大ピーンチ!
だから助けにきてよ、ほら、ユキヒサ!
「ラフィのやつ遊んでやがるな」
こめかみあたりに指をやってため息をつくクラウ。
ダメだよ、内緒だよっ、こんな奴一撃でたおせるけどー!
――お館さまがあぶなーいって、僕の予想だときてくれるはずなんだから……
「――
空波斬
くうはざん
!」
ごごご、と風がうなって、透明な竜巻がクルシマを包み、切り裂いていく。
「うぎゃああ!」
そうだったのか、ユキヒサは『
幸村
ゆきむら
』じゃなくて『
頼久
よりひさ
』だったのか!
大誤算!
じゃあ、僕は『お館さま』って呼ばれるんじゃなくて『神子』って呼ばれるべきだったのか!
「いや、鬼だろう、」
みんなコクコク頷きあう。
なんだと〜鬼の首領だといいたいの?
「いや、セフル。髪型そっくりだし」
そんなに性格悪くないぞ!
「わるい」
と一同。
ふーんっ、と頬を膨らませそっぽをむく僕。
――ならお館さまってよばれてたほうがいいや。
しかし、
「いやーん」
なんだかだみ声の色っぽい声が。
おそるおそる振り返ると、服が千々に服がちぎれて真っ裸のクルシマはミロのビーナスよろしく男の大事な部分を手で隠して立ちつくしていた。
――きもちわるい、
久しぶりに船酔いが突如おそってきたけど、きづけばユキヒサを取り囲んでいた海賊さん達もビーナスポーズ。
――僕も含めてふなのり全員戦意喪失。
ただ、ユキヒサ独り、うるうると涙ぐんでいる。
「――拙者、人が斬れないでござる」
5
「拙者は、人体だけはなぜか斬れないのでござる」
さめざめとなく
紀貫之
きのつらゆき
あらたユキヒサは白状した。
どういうこと?
あ、そういえば、はじめてユキヒサがたすけてくれたときも、一滴も血をながさなかったよね。
「人を斬るのは悪いというのはわかるのでござるが、なんだか武士の名折れと申すか、ただ相手に恥をかかせることしかできないでござる、だから人を斬れるように妖刀・村正を捜していたでござる。
さすれば、人を斬れるようになるでござるでしょう?」
「いや、それって殺人鬼的考えじゃ……」
みんなの考えをクラウが代弁するけど、僕はユキヒサの強い思いに感動した!
――さがそう、その村正! そして僕を悪い奴から守ってくれる? ユキヒサ!
「もちろんでございますとも、お館さま!」 ひし、と僕の手を熱い手がにぎってくる。
「なーんか、おれいやな予感」
クラウは異様に引きつって襟首をかいた。
「でも、提督、その前にやることがたまっているでしょう?」
――ん?
「わすれてるなバカ提督、覇権だよ、覇権てにいれなくちゃいけねーだろう?」
わ、すれっとったー!
そ、そうだ、東南アジアにもいってなかったんだよね〜!
いや、もうすっかり忘れてた。
ははは〜、とわらって、杭州へ。
「遊んでいたでしょう?」
と、けっこう厳しい表情のマリアさんの一言は耳に痛かった。
だから、アチョー、とキック入れようとおもったら二度は同じ手をくらうものかと、クラウに、さけられて、ゲルハルトさんの脇腹を命中。
「提督……」
低い声とともに、僕の頭には力強いゲルハルト・フィンガー。
――ごめんなさい、もう二度とやりません。
それからコルク村やらいってやっとアジアの覇権ゲットだぜ!
「じゃあ、これからはじめて東南アジアいくんだね」
とユリアン。
そして。
ポルトガルが滅亡イベント突入!
東南アジアのイベントをすっかりすっとばして東アジアにいってしまった僕らに、あの方はどんな表情を、見せてくれるのだろうか!
案の定、マラッカの総督さんは、『アジアの覇権を手に入れたらポルトガル復興に手をかしてくれてもいい』という。
総督は「絶対むり。みつけられるわけないじゃん。」って雰囲気で立ち去ろうとしているのをみて僕たち航海士はにたり、と意味ありげな笑みを浮かべた。
「ここに覇権あんだけど?」
――総督びっくり仰天。
しかも一瞬にして態度も九十度かえて、左へ習えをして僕たちにかけよってきた。
立て続けイベント発生。
ペレイラさん、変わり身早いの世界一。
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